eデモクラシー 旧ブログ

インターネット政党の可能性について

更新日:

『インターネット政党の可能性について』(カテゴリ:未分類)
- CNET【eデモクラシーの実現】より転載 -
 政党が、その活動の中にインターネットを取り込み活用し、より広く国民の参画を促し、小さな声までを拾い上げ、問題・課題の本質を正確に把握し、迅速で的確な対応を政策として取りまとめ、国民全体に広く周知し、その納得と合意の下に実行する。実行の経過は適宜状況を管理・把握し、必要に応じて軌道修正してゆく。
 こうした既存政党がインターネットを活用する、いわゆる「インターネット政党」の出現は、もうすぐそこにまで来ている。ホームページで情報提供し、意見や質問等の受付をするだけでなく、自由な発想によるインターネット技術の様々な応用が、政党の今後の活動を飛躍的に充実させることは間違いないからだ。
 しかし、こうした既存政党のインターネット活用とは違い、そもそも政党活動のないところから、政策の立案・提示という形に特化し、すべての国民の合意形成をインターネットの場で行うという政党活動は果たして可能であろうか。
 そもそも、インターネット上にはシンクタンクや大学等における研究の成果や、マスコミや個人発信の様々な情報があふれている。それら個々の情報は、慎重な議論や現場の調査を経るといった労力の結晶とも言えるものから、ほんの思いつきのようなものまで様々だ。そうした個別の視点からまったく別々の目的で発信されている雑多な情報との違いは、なんらかの理念に基づいて総合的な政策体系にまとめ上げ、国民に提示し、政策の選択を迫る、という点にある。こうした活動は非常にエネルギーを要することで、インターネット上の情報とは関わらず、第一に理念を提示しながら、個々の具体的な政策立案に国民からの参画を求める、と言う参画に重点を置く方法も可能だ。
 どのような仕組みにせよインターネット政党には、国民の政策立案への参画を取りまとめ思いに応えて行くだけの強力なリーダーシップと結果が求められる。そして、これは非常な労力が必要であるにせよ、決して不可能なことではない。
 ここで、インターネット政党として、国民に期待されることには、既存政党の課題を克服することも含まれている。既存政党の課題には、政策そのものや立案過程の分かりにくさ、政党内・政党間での政策論争の不在、選挙対策への過剰な労力の投入、等がある。政策内容の充実、政策立案過程の透明化、国民の参画、等にはインターネット政党はその力を発揮できるに違いないが、インターネット政党がどのように選挙に関わるか、これは大きな課題である。独自の候補を立てることは、政策のみが前面に出てくるインターネット政党の場合、違和感を与えることになるかもしれない。また、政策の実現を考えた場合、独自の政策を提示し、各既存政党へ対応を迫るという方法もあるだろう。が、その場合、政党としてのあり方が問われることになる。インターネット政党にとっては、選挙と政策実現の方策が課題である。
 インターネット政党の可能性については、まだ未知数である。しかし、インターネットの持つ魅力はそのダイナミズムにある。どんなものが現れるか想像もできないような活力だ。「世界を平和にし、すべての人々を幸福にする!」こうした熱い気持ちで、強烈なリーダーシップを発揮する人物にとっては、インターネットはこれまでにない道具である。そうして登場するであろうインターネット政党は、既に政党と言う枠を超え、インターネットによる民主主議の仕組みについてまでも議論・提示して行くことになるに違いない。そのことこそが、インターネット政党の持つ可能性であり、期待されるものなのだ。
 さて、 皆さんのお考えはいかがでしょうか?
※CNET【eデモクラシーの実現】より転載。
※CNET読者ブログのサービス終了にともない、記事移転を行いました。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

-eデモクラシー, 旧ブログ

Copyright© やるぞ!あべぶろぐ , 2024 All Rights Reserved.