4、内容
(1) 初めに、防衛庁長官から、「最終報告」案のうち相模原市所在の基地に関する部分について、説明があった。
(2) 続いて市長は、次のとおり発言し、改めて政府の努力を求めた。
① 相模総合補給廠の一部返還(15ha)及び共同使用については、一歩前進と受け止める。なお、「最終報告」までは返還面積の更なる拡大に努力されたい。更に、返還協議を今回で終わりにしてしまうのでなく、補給廠等の全面返還に向けて、引き続き可能性を追求されたい。
② 共同使用区域(35ha)については、地元・米軍・防衛施設局の3者協議を立ち上げるなどして、市民が利用し易い仕組みを作ってもらいたい。加えて、返還区域に接する10ha程度は、バッファゾーンとして、市の優先的な利用に供してもらいたい。
③ 補給廠がネックであったため、今まで計画が具体化しなかった小田急多摩線延伸は、補給廠の使用が可能になり、ようやく明るい兆しが見えた。(なお、本来は「返還」が望ましい。)
④ 要望している項目のうち、特に次の4事案について、前向きに検討されたい。
・キャンプ座間におけるゴルフ場周辺外周道路の返還。
・相模原住宅地区における東側外周部分道路用地の返還
・相模原住宅地区におけるウォーターフィルタープラント(浄水場)区域の返還
・相模総合補給廠におけるJR横浜線と並行した道路用地の返還
⑤ 基地所在の自治体は、財政面でも多大の負担・不利益を蒙っており、近く、市から政府(米軍基地再編関係閣僚会議の各大臣)に対して財政支援等を求める要望を行うので、政府を挙げて取り組まれたい。(要望予定項目は別紙)
(3) 市長からの要望に関し、防衛庁長官から概ね次の発言があった。
① 補給廠の全面返還に向けての将来展望について
・補給廠の一部返還は、日米間でギリギリの交渉を行った結果であり、今回はこれで理解願いたい。
・しかし、施設・区域は安全保障環境等に応じて不断に見直されるべきものであり、決して固定的なものではなく、また、恒久的なものでもない。
・いずれにしても、補給廠は人口密集地にあることを考慮し、その効果的・効率的な使用の可能性を探求するとともに、返還の可能性についても引き続き追及してゆく。
② 補給廠の共同使用について
・西側野積場の共同使用は、日米両国政府が合意した条件に従って行われることになるが、市の要望に沿って、平時における市民の利用が適切に確保できるよう、市と調整しながら、米側と十分協議して行く。
・バッファゾーンについて、地元の意向は理解した。今後、十分検討していきたい。
・鉄道等整備のため、先般、共同使用として提案させていただいたが、地元の意向を踏まえ、「返還」(約2ha)することとした。
③ その他の返還要望事案(4事案)に対するとりくみ
今後、日米合同委員会の枠組みを活用して協議していく所存であり、事案の性格は各々異なるものの、市の要望に沿えるよう精一杯努力する。
(この4事案は、米側の基本的な理解が得られたことから、このたび市に提示されたものであり、今後具体的な返還協議が行われるものと、市は受け止めた。なおこの4事案は、性格上、「最終報告」には登載されないとの説明)
④ 財政支援等を求める要望について
・市からの要望は、多岐にわたるものであり、直ちに回答はできないが、いずれにせよ、政府として真摯に受け止め、米軍再編関係閣僚会議等においてこれを検討するなど、基地を抱えている自治体の負担軽減に誠意をもって取り組んで行く所存。
相模原市長と防衛庁長官との会談の結果について その2
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