本日は代表質問・個人質疑の後の提案、質疑、採決となり、途中議運を挟んで深夜12時前に本会議が終了するという久しぶりの深夜議会での議論となりました。
委員会提出議案第1号「相模原市いじめの防止等に関する条例について」が、中村知成文教委員会委員長から提案説明があり、藤井克彦議員、野元好美議員、小林正明議員からの質疑の後、文教委員会への付託を求める動議が賛成少数で否決され、松永千賀子議員、金子豊貴男議員、五十嵐千代議員から反対の討論が行われ、採決の結果、賛成多数で成立となりました。
条例の内容は以下の通りです。
大切なことは条例を作ることではなく、今後の取り組みがしっかりと行われることです。
皆さんのご意見も引き続きお聞かせください。
どうぞよろしくお願いいたします。
以下
相模原市いじめの防止等に関する条例
子どもは未来の希望であり、社会のたからです。かけがえのない存在である子どもの心と体に深刻な影響を与えるいじめは、私たちの社会にあってはならないものです。
いじめは絶対に悪いという考えを基本にして、いじめを防止し、次代を担う子どもが生き生きと、安心して生活し、学ぶことができる環境を整えることは全ての市民の願いです。
私たちは相互に尊重しあえる社会の実現を目指し、いじめの根絶に取り組むに当たってのいじめの防止等についての基本理念を明らかにして、市全体でいじめの防止等のための対策を推進するため、この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、児童等に対するいじめの防止等(いじめの未然防止、いじめの早期発見及びいじめへの対処をいいます。以下同じです。)に係る基本理念を定めるとともに、いじめの防止等に関する施策の基本となる事項を定めることにより、市、学校、保護者、市民、関係機関及び関係団体等の連携の下、いじめをなくし、児童等が安心して生活し、学ぶことができる環境をつくることを目的とします。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによります。
(1)いじめ 児童等に対して、当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含みます。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいいます。
(2)学校 市内に所在する学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校(幼稚部を除きます。)をいいます。
(3)市立小中学校 学校のうち、市が設置した小学校及び中学校をいいます。
(4)児童等 学校に在籍する児童又は生徒をいいます。
(5)保護者 親権を行う者(親権を行う者がないときは、未成年後見人)をいいます。
(6)関係機関 いじめの防止等に関係する市以外の行政機関をいいます。
(7)関係団体等 市内で事業を行う個人、団体又は法人並びに自治会活動、スポーツ、文化、芸術その他の活動を行う個人又は団体をいいます。
(8)重大事態 いじめにより児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑い又はいじめにより児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがある事態をいいます。
(基本理念)
第3条 いじめは絶対に悪いという考えを基本に、市、学校、保護者、市民、関係機関及び関係団体等の連携及び協力の下、いじめを未然に防止し、児童等が安心して生活し、学ぶことができる環境が整えられなくてはなりません。その上で児童等の相互に尊重し合う意識及び態度を育て、一人一人の尊厳を大切にする社会を実現するため、それぞれがその責務及び役割を自覚し、迅速かつ組織的にいじめの防止等に市全体で取り組むことを基本理念とします。
(市の責務)
第4条 市は、前条に定める基本理念にのっとり、いじめの防止等に関する施策を総合的に策定し、及び実施しなければなりません。
(市立小中学校の責務)
第5条 市立小中学校は、あらゆる教育活動を通して、当該市立小中学校に在籍する児童等(以下この条において「在籍児童」といいます。)に対し、豊かな情操と道徳心を培い、自他の生命を大切にする心、自他の人権を守る心を育むとともに、在籍児童のいじめの防止等に資する主体的な活動の促進及び支援をするよう努めるものとします。 2 市立小中学校は、いじめを行い、又はいじめを受けた在籍児童への適切な指導及び支援を行うとともに、保護者の理解と協力を求めるよう努めるものとします。
3 市立小中学校は、いじめを未然に防止し、又は早期に発見するための相談体制及び在籍児童が安心して相談することができる相談環境を整備するとともに、いじめを把握した場合には、その解決に向け、速やかに当該学校全体で組織的に対応するものとします。
(保護者の責務)
第6条 保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、その保護する児童等の心情の理解に努め、当該児童等が心身ともに安心して過ごせるよう努めるものとします。
2 保護者は、いじめを発見し、又はいじめの疑いがあると認めるときは、市、学校又は関係機関に相談し、若しくは通報して支援を求めるものとします。
3 保護者は、学校が行ういじめの防止等に関する措置に協力するよう努めるものとします。
(市民及び関係団体等の役割)
第7条 市民及び関係団体等は、地域において児童等に対する見守り、声かけ等を行うとともに、市、学校及び保護者と連携し、及び協力して、児童等が安心して過ごすことができる環境づくりに努めるものとします。
2 市民及び関係団体等は、いじめを発見し、又はいじめの疑いがあると認めるときは、速やかに、市、学校又は関係機関に情報を提供するよう努めるものとします。
(児童等の役割)
第8条 児童等は、互いに思いやり、ともに支え合いながら、いじめのない学校生活を送ることができるよう努めるものとします。
(児童等及び市立小中学校への配慮)
第9条 市は、いじめの防止等に関する施策の推進に当たっては、関係する市立小中学校の教育活動並びに児童等及びその家族の生活に十分に配慮しなければなりません。
(市基本方針の策定)
第10条 市は、いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針(次条において「市基本方針」といいます。)を策定するものとします。
(学校基本方針の策定)
第11条 市立小中学校は、市基本方針を参酌し、当該学校の実情に応じたいじめの防止等の基本的な方向や取組を定めた方針(次項において「学校基本方針」といいます。)を策定するものとします。
2 市立小中学校は、学校基本方針を策定したときは、これを公表し、保護者及び地域の住民の理解及び協力が得られるよう努めるものとします。
(相談体制の整備)
第12条 市は、いじめに関する相談、通報等に速やかに対応するとともに、児童等、保護者その他のいじめの防止等に関わる者が安心して相談、通報等ができるよう効果的な相談体制を整備するものとします。
(財政上の措置等)
第13条 市は、この条例の目的を達成するため、財政上の措置その他の必要な措置を講ずるものとします。
(組織)
第14条 市は、いじめの防止等に関係する関係機関及び関係団体等の連携を図るための組織を整備するものとします。
2 教育委員会は、いじめの防止等に関する施策を実効的に行うための組織を整備するものとします。
(重大事態への対応)
第15条 市立小中学校又は教育委員会は、重大事態が発生したと認めるときは、その事態に迅速かつ組織的に対処するものとします。
2 市立小中学校又は教育委員会は、重大事態が発生したと認めるときは、市立小中学校にあっては教育委員会を通じて、教育委員会にあってはその旨を市長に報告するとともに、当該重大事態に係る事実関係を明確にするための調査を行うものとします。
3 市長は、前項の規定による調査結果の報告を受けた場合において、必要があると認めるときは、自らの権限と責任において調査を行い、その結果を議会に報告するものとします。
(検証及び公表)
第16条 市は、毎年度、いじめの防止等に関する施策の実施状況について、検証を行い、及び公表するものとします。
(市立小中学校以外の学校への協力要請等)
第17条 市は、学校(市立小中学校を除きます。)に対して、いじめの防止等に関する施策が確実かつ適切に実施されるよう、必要な情報交換及び協力を求めることができるものとします。
2 市長は、学校設置会社(構造改革特別区域法(平成14年法律第189号) 第12条第2項に規定する学校設置会社をいいます。)が設置する学校が、重大事態に係る事実関係を明確にするために行った調査に関し、その調査結果の報告を受けた場合であって、特に必要があると認めるときは、必要な措置を行うことができるものとします。
(条例の見直し)
第18条 この条例は、いじめの防止等に関する施策の実施状況、実施効果等を勘案し、第1条の目的の達成状況を評価した上で、必要に応じて見直すものとします。
(委任)
第19条 この条例の施行に関して必要な事項は、別に規則で定めるものとします。
附 則
この条例は、平成26年4月1日から施行します。
以上
相模原市議会 文教委員会 いじめの防止等に関する条例 委員会提出議案