一票の価値を考える ― 10のものさし
あなたの1票は、どこまで届く?
「1票くらいで、何も変わらない」と思ったことはありませんか。1票の価値をはかる「ものさし」は、1つではありません。重さ、結果までの距離、議会での力、確率。10のものさしで、いろいろな角度から見てみましょう。式の □ に実際の数字を入れれば、あなたのまちの選挙でも計算できます。
1票の旅投票所から議会まで、1票がたどる道すじにそって、ものさしを並べました
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1 投票所で
1票の重さ ①②③
大勢の中の1票。でも、住む場所、選ばれた人が決める予算の大きさ、投票率で、重みの見え方は変わります。
ひらく → -
2 開票所で
結果までの距離 ⑥⑦
あと何票で、結果は変わった? 当選した人は、有権者の何人に1人に選ばれた?
ひらく → -
3 議会で
議席と決定力 ⑧⑨⑩
票は議席に、議席は議会の力に。その割合は、そのまま受けつがれる?
ひらく → -
もう一歩
確率で考える ④⑤
自分の1票で、当選確率はどれだけ変わる? それでも人が投票するのはなぜ?
ひらく →
はじめての人は、1→2→3の順に読むのがおすすめです。むずかしいと感じたら、④⑤と⑨⑩はあとまわしでもかまいません。最後に ○×クイズ で確かめ、もっと知りたくなったら 事例と年表 へどうぞ。
国の選挙の1票は?(衆議院・参議院)10のものさしの式に、国の選挙の数字を入れた例です。□ の数字は書きかえられます(数字の出典はページの下にあります)
国の選挙と、まちの選挙をくらべると
あなたのまちの数字ここで選んだまちの数字が、ほかのページの計算の初期値になります(このブラウザに保存されます)
このまちの1票を、いくつかのものさしで見ると
10のものさし一覧何がわかるか、どの数字を使うか、どこで調べるか、何に気をつけるか
| ものさし | わかること | 使う数字 | どこで調べる | 気をつけること |
|---|---|---|---|---|
| ① 代表を選ぶ重み(一票の格差) | 選挙区ごとに、有権者1人当たりにどれだけ議席が配分されているか。いちばん重い区と軽い区の比が「一票の格差」 | 選挙区ごとの有権者数と定数 | 選挙管理委員会の「選挙人名簿登録者数」、議員定数条例 | 人口基準と有権者数基準を区別する。当選する確率ではない |
| ② 一票に対応する予算規模 | 選挙で判断を託す予算の規模(有権者1人当たり・任期中) | 1年の予算(または年度ごとの予算)、任期、有権者数 | 自治体の「予算の概要」、総務省「決算カード」 | 受け取れる金額でも、棄権で失う金額でもない。「1票の値段」とは言わない |
| ③ 投じられた票の中での割合 | 投じられた票の中で1票が占める割合。投票率が低いほど大きい(全員投票との倍率は 1 ÷ 投票率) | 有権者数、投票率(投票総数) | 選挙管理委員会の「投票結果」 | 1人が2票をもつわけではない。得票率の分母は有効投票数 |
| ④ 当選確率を変える効果 | 投票した場合と棄権した場合の、支持する候補の当選確率の差 p。2人の選挙なら ½ ×(同数の確率 + 1票負けの確率) | 同数・1票負けの確率(接戦の度合い ÷ 投票する人の数で見積もる) | 世論調査や前回の結果からの見込み(仮定) | 有権者数だけでは決まらない。「1 ÷ 票差」ではない |
| ⑤ 投票の期待効用 | R = p × ΔB − C + D。結果への影響、負担、参加すること自体の意味をあわせて考える | ④の p、便益の差の評価 ΔB、負担 C、参加の価値 D | 仮定の数字(評価点) | 同じものさしにそろえる。②の金額をそのまま ΔB にしない |
| ⑥ 逆転に必要な最小票数 | あと何票(何人)で結果が変わったか | 最後に当選した人と次点の得票数 | 選挙管理委員会の「開票結果」 | 結果までの距離であって、確率ではない |
| ⑦ 絶対得票率 | 当選した人に投票したのは、有権者全体の何%か | 得票数、有権者数、投票者数、有効投票数 | 選挙管理委員会の「開票結果」 | 棄権した人の考えまではわからない |
| ⑧ ギャラガー指数 | 政党などの得票の割合と、議席の割合のずれ | 政党ごとの得票数と議席数 | 総務省・選挙管理委員会の党派別の集計 | 1人1人の1票の価値ではない。性質のちがう票をまぜない |
| ⑨ バンザフ指数 | 議会で、可決に欠かせない会派はどこか | 会派ごとの議席、可決に必要な数 | 議会の「会派別議員名簿」 | 会派がまとまって投票すると仮定した計算 |
| ⑩ シャープレー=シュービック指数 | 賛成が集まる順番の中で、可決を決める会派はどこか | ⑨と同じ | ⑨と同じ | 「順番」は計算のための仮定 |
よく見かける計算でも、一票の価値の説明としては意味をとりちがえやすいもの(選挙の費用 ÷ 投票者数、棄権による損失額、1 ÷ 票差 など)は、○×クイズで取り上げています。
もっと学びたい人のために一票の価値をめぐって、実際にあったこと
事例と年表 一票の格差の裁判、合区やアダムズ方式などの見直し、選挙権の広がり、同数でくじになった選挙や21票差の選挙、10のものさしのもとになった研究。概要とポイントを読むだけでわかり、出典のリンクから確かめられます。 ひらく →選挙シミュレーターとのつながり
市長選・議員選のシミュレーターでは、投票率が変わると当選者が入れ替わる様子を見ました。そこで変わったのは「だれの票が数えられたか」です。このコーナーでは、その1票の重さや、結果までの距離、議会での力を、いろいろなものさしではかります。
- ⑥⑦と⑧⑨⑩では、市長選・議員選のシミュレーターと同じ「ひだまり市」の開票結果を使っています。投票率を動かすと、数字が変わります。
- 単記移譲式や1人2票・マイナス票のページは「数え方」で結果が変わることを、このコーナーは「1票の価値をどうはかるか」を扱っています。
どのものさしも、1票の価値の一面しか表していません。1票には、それぞれの意味があります。だからこそ、1票をよく考えて投じることが大切です。