早稲田大学マニフェスト研究所が主催する「地方議会を変革する生成AI活用講座 ~地方議員がゼロから始めるChatGPT~」に参加してきました。
その時に刺激を受け、ChatGPTによるChatGPTの中にあるBOT作る機能を使って『地方議会用語集BOT』を作成しました。以下、概要を報告します。
BOTはChatGPT『地方議会用語集』からアクセスできます。
※使用には、ChatGPTの利用が必要です。
【名称】『地方議会用語集BOT』プロジェクト
【ツール】ChatGPTのGPTsCreate機能を使用。
【目的】
ChatGPTに議会用語を学習させ、ユーザーが一つの用語について疑問を持った際、それが議会の奥深さや重要性、表現の難しさなどの課題を提示する機会となるようにする、そんなBOTの作成を意図しました。
【使い方】
疑問に思う議会用語を入力して、その解説をご覧ください。また、議会に関する様々な質問をしても回答が得られます。
『議会用語集BOT』を立ち上げると、質問例がいくつか表示されるので、ボタンを押してみてください。
特に「ランキングの種類」については、6パターンほど紹介されていますので、そのままランキング名をコピー&ペーストするか、ランキング名の番号を「2」や「6」のように打ち込んでみてください。こちらの用意したランキングが表示されるようになっています。
【結果】
議会用語を入力することで、それなりの回答を返すことができるBOTが作成できました。しかし、用語集は辞書のように使用し正確さが求められることも想定されます。誰が質問しても同じ回答を返さなければならないのに、ChatGPTの特性上、同じ質問をしても違った回答が返されるため、用語集としては活用が難しいことが判明しました。
【特徴】
・このBOTは、各地方議会のホームページに掲載されている用語集に取り上げられている議会用語を学習しています。
・さらに、「通年議会」といった議会改革用語や、「一事一件の原則」のようにロバート議事規則に出てくる議会運営上の原則といえる特殊な用語も含まれています。
・また、「ランキングの種類」というボタンを押すことにより、さまざまな議会用語ランキングを表示する機能があります。「似て非なる議会用語ランキング」「意味を間違いやすい用語ランキング」等の内容は、ChatGPTが作成しているのではなく、そのまま表示するように指示を与えたファイルをアップロードしています。
【具体的な問題点】
「政務調査費と政務活動費の違い」のような説明においては、2012年の地方自治法改正により「政務調査費」が「政務活動費」となったことを特に回答してほしいのだが、ChatGPTはそれぞれの用語の解説に終始し、かつ言い回しや回答の様式をその都度変えてしまいます。こうした個々のすべての事例に対し、質問者が望む回答を逐一記述して指示をしておく必要があり、HTMLによるホームページやブログで簡単に実装できる機能が、かえって手間暇かけて実装しなければならないという問題が生じました。
ChatGPTでBOTを作成する現在の課題としては、あらかじめ取り込んでおきたい情報の入ったファイルが20までしかアップロードできない点があります。先のランキングでは、「議会改革用語ランキング.txt」のように個々のランキングごとのテキストファイルを作成し、アップロードしなければ、質問に的確に回答してくれませんでした。他のランキングと一緒にして、一つのテキストファイルを作成してアップロードすると、最初のランキングだけが認識されている現象がありました。学習させる複数の地方議会の用語集のテキストファイルも、まとめてアップロードすると下部の用語集が認識されない現象がありました。テクニカルに解決できる可能性があると考えられますが、そこまで到達することは現在ではできませんでした。
また、Edit画面で、Configureを選択し、Instructionsの中に詳細な指示を記述しておく方法もありましたが、8000文字の制限があり、個々の細かい指示の記述は断念せざるを得ませんでした。こうした制限はすぐにも克服できるものと感じられますが、現在のところ、そもそもプログラミングをした方が早く確実で、ChatGPTを使用する意味がないと感じられました。
【考察】
決まった内容を表示させたい場合や、再現性がある回答を求める場合、ホームページを立ち上げるか、プログラミングで実現する方が、かえって労力が少なく、確実に機能を実装できると感じられました。今回作成した『議会用語集BOT』は、本来は、作成者が時間と労力を使わず、簡単に利用者が議会用語を確認できる機能の実装を目指していたものですが、ChatGPTそのものの使い方にクセがあり、本来注力するべき議会用語の掘り下げ等が出来なくなり、本末転倒となってしまいました。
アイデアの洗い出しや文章の要約など、ChatGPTが得意としている機能の特性をよく理解して、ChatGPTが得意とする機能を利用した企画を立ち上げることで、その後の大きな成果につながると感じられました。
BOTを見つけてもらうために、アイコンは重要ですが、ChatGPTが自動で作成するアイコンはどれも洋風な感じで違和感がありました。そのため、黄色い背景とひらがなの「ぎかい」をモチーフにした、分かりやすく親しみやすいアイコンをWindowsに付属するペイントソフトを使い、自分で作成しアップロードしました。この画像もアップロードファイルの20枠のうち1枠を消費しているのが課題の一つです。
【その他】
この報告記事も、ブログ掲載前にChatGPTを活用し、「次の文章を校正してください。間違いがあったら、指摘してください。」と質問を投げかけたところ、6つの修正提案があり、すべて受け入れて修正しました。こうした使い方が一番良いと改めて思いました。。。
以上