大都市制度に関する特別委員会 『政令指定都市移行の総括』
内容の紹介 テーマ1「財政収支の状況について」
私が委員長を務めております、相模原市議会大都市制度に関する特別委員会では、この度、『政令指定都市移行の総括』を実施いたしました。議論の様子など、私個人のメモとしてご紹介いたしますので、ご覧頂ください。
※内容につきましては私が個人としてまとめたものです。委員会としてのまとめ及び報告は現在協議しているところです。この記事に対するご指摘ご質問は私宛(mail y@abn.jp ※@は半角に変換してください)までご連絡ください。よろしくお願いします。
★★★政令指定都市移行の総括
★★テーマ1「財政収支の状況について」
★市からの説明資料 ※会議で使用した資料
131227 01 テーマ1(財政)総括表
131227 02 テーマ1(財政)決算
131227 03 テーマ1(財政)グラフ
★市からの説明 ※私の個人的メモです。
市からの説明では、
政令指定都市移行に伴い新たに発生した財政需要と収入増となった財源がどのような収支となっているのかを総括した結果、
指定都市移行に伴う各種経費の状況は、指定都市移行前の財政シミュレーションにおいて公表されていた数値に比べ、歳入歳出ともに増額となっている。
平成24年度決算においては、48.5億円の歳入の黒字となり、この主な要因は地方交付税の交付によるものであった。また、歳出における国直轄事業負担金や公債費に連動している歳入における市債額も大きく増加となった。
地方交付税の交付については、指定都市移行に伴って発生する基準財政需要額と基準財政収入額を比したときに、収入額が上回るとしていたため交付の想定はしていなかったが、平成20年9月に起きたリーマンショックの影響により、平成21年後期以降の税収が減少し、本市は平成22年度より地方交付税の交付団体となった。平成24年度決算においても、リーマンショック前に比べ、税収はいまだ回復途上にあり、歳出における近年の民生費などの需要増加などもあり、劇的な収入増要因がない限り、本市が交付団体である状況は今後も続くものと考えている。
指定都市移行後に地方交付税の交付団体となった影響は、財政調整基金の状況においても見られ、シミュレーションに示された基金残高とのズレが生じている。これは、さがみ縦貫道路に係る国直轄事業負担金の一部計画変更や期間延長による歳出の増額があったことに加え、財政調整基金の取り崩しを想定していた運用を変更し、後年度での交付税措置を見込み、市債による対応を行ったことによるもので、この対応によって、市債償還時に償還額の50%が交付税措置されることとなり、財政負担の平準化及び軽減が図られたと考えている。
また、県債償還金については、基本協定時には総額250億円とされていたところが、その後の県側の工事費借り入れ利率の確定に伴う減額、交付税措置分など、県が負担していない控除の精査を進め、約199億円まで減額となった。
主な課題と今後に向けた考えについては、政令経費の歳入の大きな要素となる地方交付税の継続的な交付が今後も見込まれることから、臨時財政対策債による対応は含んでいるものの、その必要額については確保できる状況が続くものと想定しつつ、国や県の補助金、交付金などの特定財源の確保や宝くじ収入の増収など、積極的な歳入の確保を図り、経費の適切な執行にも努めていく。
あわせて、指定都市がその役割を果たすための適切な税財源の拡充強化について、指定都市市長会などを通して、今後も要望を続けていきたい。
とのことであった。
以上
★各委員からの意見等 ※私の個人的なメモです。
各委員からは、次のような意見があった。
・財政シミュレーションについては、一度つくってそのままということではなく、その後も変化に合わせ、つくり直し、追跡をしていく必要がある。
・歳入確保と歳出抑制の2つは、セットで考えるべき。実効性ある取り組みを行うために、政令指定都市としての状況をきちんと分析し、その分析に基づいた的確な対応を行わなければならない。
・市債について、市民の不安や懸念材料となっている。今後の考え方や償還のシミュレーションについて、経済情勢に左右されない財政のあり方を市民にきちんと示して説明する必要がある。
・市債を含め、政令市の中では、いろいろな指数について、健全度など、上位の状態と説明をもらったが、他市は、公営事業として地下鉄や市営病院などを抱えている状況にある。一概に安心できる状態ではないと考えられるので、引き続き、市債抑制に向けた努力が必要である。
・臨時財政対策債や国直轄事業負担金のあり方については、本市だけでなく、指定都市共通の課題である。制度として、国に対して、これからも声を上げていくべきだと考える。
・政令市の行っていく事業、また、市民に求められているサービス水準に対して、さらなる税源の移譲は不可欠で、国や県に対してどうするのか、更にあり方を検討して行くべきである。
・国と県とのやりとりについて、市民をもっと巻き込んで、一緒に考えて、取り組んでいくべきである。青本、白本については、もっと市民の方にも広く見てもらったほうがいい。政令指定都市の税財源の課題は、青本、白本に集約されているとも考えられる。
・官公庁会計での収支の均衡と言う見方と、市債はいずれ償還しなければならないと言う市民感覚には隔離があり、丁寧な説明が必要である。
・政令指定都市になって、直接できるというが、道路の整備など、早く執行できるということは全くない。むしろおくれているくらいであり、反省すべきところ。今後、国県道の直轄負担金の是非をめぐり(本市固有の課題として)議論が必要。
・政令指定都市移行は、本市の夢や希望を将来に描いて実現するという議論の中で選択されたものである。財政を巡るさまざまな課題についても、市民を巻き込み、市民とともに議論しつつ都市経営を進めてもらいたい。
・しばらくの間、政令市の収支状況については、市民への説明責任を果たすべきだ。
・総括作業を進めていくことが、市民に対して私たちの責任を果たすことになるのではないか。
・政令指定都市移行に関しては、相模原市始まって以来の直接請求が成立して、住民投票をやるかやらないかというところまでいった問題である。やはり、移行してどうなったかということを市民にきちんと説明する責任を、市はしっかり果たしてほしい。
・交付団体になったことの意味を考えるべき。
・収支についてのきちんとした評価として、単年度はもちろんだが、後年度負担、そのほか、財政についての総合的な視点も加味して、どうだったかということをしっかりと評価するべきである。
・財政収支について、市民サービスにどう影響があるかの視点が大切である。
・政令市移行後の職員の増員について、見込む必要があった
・国直轄事業負担金についての説明では、実質的に財政負担の軽減が図られた、負担の平準化、世代間の公平性も図られることとなったとのことである。それは事実だと思うが、実情を示すものにはなっていないと感じる。表現の仕方について、考えてもらいたい。
・実際、市債の発行、後に交付税で措置される額は幾らなのか、されない額は幾らなのかということや、後年度の負担についてもきちんと記載するような形で、市民の皆さんに説明してもらいたい。
・歳入の確保や市債発行の制限を市独自で設けて厳しくしている努力は重々承知しているが、指定都市制度そのものが暫定的に創設された制度であり、制度そのものの課題は多くある。財政面、税制度において、それゆえに本市も特別自治市の制度創設に向けた取り組みをしている。そこに市民的な議論が非常に必要になってくる。そのときに、このような説明では実情が伝わらないことは大きな問題と思う。どのように市民的な議論にしていくのかという観点で考えてもらいたい。
・単純に、収支のところで、地方交付税の影響によって、収入が支出を上回っているということだけでよしとするわけにはいかない。市債の問題や国直轄事業の経費のことについても、やはり、個別で課題等はあると感じる。
・シミュレーションのときから3年経過しての収支のバランスを見たときに、社会情勢の変化や、政令指定都市に移行してからの市のサービス向上等を図る上での努力等も加味しなければいけない。
・政令指定都市移行に伴う経費の部分だけではなく、従来の事業等についても、トータル的に、政令指定都市に移行してよかったと市民が実感できるようなサービスについて(移譲事務等の議論の中でも)、しっかりとやっていかなければいけない。
・市民によくわかってもらえるような説明の仕方についても、今後、期待したい。
・今後の課題として、効果的な歳入確保の取り組みに力を入れてもらいたい。
以上
以下、「政令指定都市移行の総括」詳細
★大都市制度に関する特別委員会 『政令指定都市移行の総括』
【日時】:
平成26年1月16日(木)9時30分より
平成26年1月23日(木)9時30分より
平成26年1月28日(火)9時30分より
【内容】:
相模原市の政令指定都市移行の総括について
【議題(テーマ)】:
1、財政収支の状況について
2、移譲された主な事務の状況について
3、区制について
4、『相模原市政令指定都市ビジョン(Sビジョン)』について
5、移行のメリット・デメリットについて
6、その他
参考ブログ記事
http://ab4.jp/?p=4204
http://ab4.jp/?p=4216
http://ab4.jp/?p=4220
以上よろしくお願いします。