第四条【言葉】議員は言葉を大切にせよ。
※人は言葉でつながっている。人は言葉で約束をする。言葉を大切にすることは、人を大切にすることである。
議会は言論の府である。誤解のない、正確なやり取りを行うためには、言葉を正しく使うことが大切である。議会での質問においても、自分ひとりで納得し、分かったような顔をしていても、まわりでは何を言っているのかさっぱり分からないようでは意味がない。適切な言葉を用いて、きちんとした議論ができないようでは議員の務めは果たせない。議論した自分の言葉が社会を変えて行くのである。議員は自分の言葉に責任を持たなければならない。
議員の言葉は市民との約束である。議員は自分の言葉にもっと配慮し、自分の言葉を大切にするべきである。言葉は自分で考えている以上に、違った意味で伝わり、それが一人歩きを始める。議員が嘘をついてはいけないことはもちろんであるが、曖昧な発言によって人に誤解を与えるようなことがあってもいけない。人びとは、自分の思いを胸に話しかけて来る。議員の曖昧な発言はそもそも誤解を与えやすく、お互いの納得のためには時間をかけた丁寧なやり取りが求められる。
言葉は生き物であるから、正しい言葉、きれいな言葉を使い、私たちの言葉を守って行くことは大切なことである。流行語や新しい表現は誤解の種となる。議会での発言や多くの人々とのやり取りにおいては、自分の仲間内で使うような言葉は避けるべきである。誤解のないこと、分かりやすいことは、相手本位の姿勢でなければ出来るものではない。
きちんとした言葉のやりとりは、相手の目を見て話を聞き、理解の様子を見ながら適切な言葉で話すことが必要である。話す速度やどんな用語を用いるかも、その場その場での判断が求められる。言葉を大切にすることは、相手を大切にすることなのである。
また、普段乱雑な言葉遣いをしておきながら、突然正しい言葉遣いが出来る訳ではない。必ず普段の様子はどこかで顔を出してくる。議員は、普段の生活や心の姿勢が問われている、と考えておくべきである。
また、たとえどんなに言葉が丁寧で、正しいものであっても、その発言の内容が間違っっていてはいけない。よく調査をし、熟慮を重ねた上での発言でなければ、その言葉は軽くなる。「インターネットで見た」などと言った曖昧な根拠で発言しているようでは、議員の存在意義すら軽く見られかねない。きちんと調査し、まとめられた言葉には説得力が出てくる。自分の一言にかける準備によって、言葉は重みを増して行く。
自分が発する言葉の持つ重みを考え、議員は誰よりも言葉を大切にしなければならない。
関連する心得【正直】議員は嘘をつくな。
※議員は信頼が第一。決して嘘をついてはいけない。
信頼を得ることは難しく、それを失うことは簡単である。その場しのぎのごまかしで小さな嘘をついていると、やがてそうした人間になり、信頼を失ってゆく。議員は市民を代表するものであるから、そこには確かな信頼関係がなくてはならない。「自分は嘘をつかない」と言葉で説明するのではなく、行動でそのことを示さなければならない。心の中は自然と人に伝わるものである。嘘はつけないと考えておくことである。