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【相模原市長選挙展望】自民党自主投票決定!【影響を考察する】

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 令和5年2月23日(木・祝)自由民主党相模原市連は、相模原市立産業会館において市連大会を開催し、市連会長を務める赤間二郎代議士が、相模原市長選挙において自民党は自主投票とすることを表明しました。自民党の統一候補がまとまることにより、現職に対する有力な対抗馬と見られていたため、今後の統一地方選挙への影響を考えてみました。

 【相模原市長選挙、自民党自主投票の意味】

 このことは、

 ①、自民党として相模原市長選挙の推薦候補は出さない。
 
 ②、自民党は現職本村賢太郎市長に推薦を出すことはない。

 を意味しています。

 【考察】

 ①については、

 既に全国でも同様の状況が報じられているように、自民党の候補一本化が図れなかったと市民にも受け止められています。この統一地方選挙に相模原市で行われる4つの選挙(神奈川県知事・神奈川県議会議員・相模原市長・相模原市議会議員)において、自民党公認・推薦の各県議会議員候補・市議会議員候補が統一的な行動を取れないことが想定されています。

 このことにより、各陣営では、陣営内で別々の市長候補を推す分裂の状態や、各候補者が市長選挙への関りを避ける「市長選挙は市長選挙、議員の選挙は議員の選挙」と個別化が図られることも想定されます。

 実際には、各陣営により状況は様々です。市長選挙への意向がほぼまとまっている陣営や、意向がまとまらない陣営など、「市長選挙と市議会議員選挙の関り」という視点からは、市民にとってやや曖昧な状況となっています。

 しかし、この相模原市では、一般的に言われるように現職有利と感じる市民が多く、有力市長候補どうしの一騎打ちによる、「陣営内が真っ二つ」という状況にはなっていない様子です。

 自民党の自主投票により、相模原市での現職市長への有力な対抗馬がいないと受け止められる状況では、選挙に対する関心の低下や低投票率も危惧されています。

 ②については、

 自民党が現職市長に推薦を出す場合に考えられた政策的な歩み寄りがないこととなり、現職市長が当選した場合、現職市長1期目に議案の否決があったように、選挙後の市政運営、議会運営が混乱、複雑化する懸念がある一方、「市長は市長、議会は議会」が本来のあるべき姿だ、と活性化に期待する声も出ています。

 しかし、推薦を出しても出さなくても、そもそも「市長は市長、議会は議会」は変わらない、との意見もあります。 

 これまでも、現市長となってから、議会内で、市長と議会の政策的な意見交換を求める声がありました。市民に見えないところで政策的な決定が行われてはいけませんが、市議会議員はより市民に近く活動しており、また全国的なネットワークもあるため、的確な市民ニーズや先進的な政策について把握する点からも、市長と議会の密な意見交換は必要です。

 今回の自民党の自主投票の決定は、こうした市長と議会の適切な距離感、緊張感を維持しながらも適切なコミュニケーションの取れる関係、にどう影響するかについても、これから考えて行く必要があります。

 市長と議会が馴れ合いにならず、議会が市長の追従にならず、また、議会は市長に何でも反対の市政停滞に陥ることもなく、市長と議会のあり方を考える良い機会にもしなければなりません。
 
 *** *** 過去の記事 *** ***
 【2023】相模原市長選挙展望【争点】(2023.2.2)
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 【考えるべき論点】

 全国で見ると、市長選挙と市議会議員選挙は必ずしも一緒に行われるわけではありません。相模原市長選挙も、故小川勇夫市長の時までは、市長選挙は統一地方選とは別日程でした。相模原市における地方統一選挙では、神奈川県知事・神奈川県議会議員・相模原市長・相模原市議会議員の4つの選挙が同時に行われます。このことの是非とともに、こうした状況を受け止め、いかにこの選挙を意義あるものとするかを考える必要があります。

 4つの選挙が同時に行われる事は、作業の複雑化によるミスの発生、争点がぼやけてしまう点、等の課題はありますが、選挙にかかるコスト圧縮や事務作業の効率化等のメリットもあります。また、選挙でこれからの政策を論じ、首長も議員も同じ任期のサイクルで市政運営を行うことは、4年と一括りとして分かりやすく、今後のあるべき形とも思われます。

 こうした状況下でいかにこの選挙を意義あるものとするかについては、様々考えられますが、一つの視点として、候補者選択において、(ある程度の人物本位の選択となることは理解できても)はれて当選を果たした候補者が全権委任を受けるのではなく、政策本位の選挙を行い、選挙の後には、その一つひとつの政策について是々非々の真剣な議論が行われるような意識を持ってこの選挙に臨む必要があると考えます。

 選挙を人物本位の選択と考えると、その候補者を知っているか知っていないかが大きな選択理由の一つとなってしまい、無駄な費用の掛かる選挙になったり、騒音や露出の不快なPR合戦になってしまったり、「見たことがある」「お願いされた」が重視されるといったお願い型の選挙になりがちです。
 
 選挙を政策本位の選択と考えると、選挙が政策に関する議論の場となり、その後の市政運営においても議論がより深まります。市民も自分に身近な人物かどうかだけではなく、自分に関わる政策について議論に参加することになり、市政や選挙が身近なものとなり、我がこととして関わることができるようになります。

 これを良い機会として、首長選挙と議員選挙の関りのあり方と、選挙そのものについて、私たちは考えなければなりません。 

 【相模原市長選情報】

 現在、相模原市長選挙には、以下の4名の方が立候補を表明しています。

 ・本村賢太郎 氏(52) 現職
 ・野元弘幸  氏(61) 東京都立大学教授
 ・沼倉孝太  氏(75) 元相模原市議会議員
 ・武嶋俊子  氏(50) 看護師

 いずれも無所属です。

 また、神奈川知事選挙においては、自民党神奈川県連は、4選を目指して立候補を表明した黒岩祐治氏(68)の推薦を決定しています。
 
 投票日
 4月9日(日)に、相模原市長選挙とともに、神奈川県知事選挙、神奈川県議会議員選挙、相模原市議会議員選挙の4つの選挙が行われます。県議会議員と市議会議員は、緑区・中央区・南区とそれぞれの区が選挙区となっています。

 告示日
 それぞれの選挙の告示日は、神奈川県知事選挙3月23日(木)、相模原市長選挙3月26日(日)、神奈川県議会議員選挙・相模原市議会議員選挙3月31日(金)となっています。


 【まとめ】

 相模原市長選挙に対し、自民党は自主投票となることが決定しました。その影響は様々ありますが、そうした状況下でも、この選挙をより良いものにして行かなければなりません。

 選挙は画一的なものではなく、その時その時で様々な状況が生じる生きたものです。どんな状況にあっても、その選挙に我がこととして向き合い、関わることで、その後の市政がより良いものになって行きます。この選挙が、選挙のあり方とまちの未来を考える良い機会となるように、またその後のより良い市政に、期待をしています。

 
以上

※この記事は、相模原市議会議員阿部よしひろの個人的考察に基づくものです。

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