相模原の津久井又野出身の尾崎行雄について、古書の中に見つけましたので、ご紹介します。
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尾崎行雄
混濁せる政界下層の空氣には住めない性分である。之かず理想の氣球に乗せて日本政治の高空氣流を観測させんには―――。
然しこの氣球乗りの観測報告はその儘信ずる譯には行かない。これを信ずるには彼の観測表の見込みの數字からは必ず五八年或は十、二十年の『將來』といふハンデキャップを割引する必要がある。(岡本一平)
『現代世相漫画』(現代漫画大観1)より
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尾崎行雄の理想主義や、時に大袈裟ともいえる壮大な話を好む様子が伝わってきます。金や物欲にまみれた政治の世界にあって、その気高く特異な存在が愛されつつ、どこか現実離れした点には冷めた目線もあったのかもしれません。私は、そのどちらも尾崎行雄、咢堂の魅力だと思います。
文章と漫画を描いた岡本一平は、岡本太郎のお父さんです。
岡本太郎の作品「呼ぶ 赤い手 青い手」は1982年に相模原市の西門商店街に設置され、多くの市民に愛されています。
また、岡本一平が、世界一周旅行の際に立ち寄ったパリで会っている藤田嗣治は、戦渦を逃れ、藤野に住んでいたことがあり、いろいろな縁がつながっていると感じます。
現代漫画大観は、「現代…」とありますが、昭和3年(1928年)の発行です。95年を経て、今の日本の政治を見て、どの様な風刺漫画が描かれるでしょうか。。。