投開票作業の迅速化正確化を求めて、
電子投票制度が導入されました。
しかし残念なことに、
システムトラブル等が続いたことから、
制度が廃止されてきています。
電子投票は、
紙の投票用紙がなくなるだけの話ではありません。
集計が楽に、早く、正確になる、
ということよりも重要なポイントがあります。
投票時に、そのまま投票情報がデータ化出来るということです。
紙に書かれた文字を人が判別して、
その紙を仕分けて行く作業とは全く違う概念になります。
電子化された投票情報は、
どのように集計することも、
どのように使うことも、
ロジックさえ整理しておけば、対応可能になります。
これは、
投票情報が一つのビッグデータとして扱える、
ということです。
例えば、
複数の候補者から一人の当選者を選出する市長選挙のような場合。
これまでは一人だけを選んで投票していました。
それが、第1位から第○○位まで、と自分が良いと思う候補者に順位をつけることも出来ます。
似たような候補者が複数出て、
特殊な主張をする候補者が一人だけいた場合、
票が分かれて、ごく特殊な主張の候補者が選出されることもあります。
正当に選出された候補者なので、
悪いと言っているのではありませんが、
大量の死票が出てしまう問題があります。
こうした場合、
電子投票の利点を生かして、
複数の候補者に順位付けをして投票することが出来ます。
自分が1位に投票した候補者が最下位になった時、
自分の票を第2位の候補に振り分ける、
第2位に投票した候補者が最下位になった時、第3位の候補に振り分ける、
こうした票のスライドを、最後の当選者が決まるまで繰り返す、
なんてこともできるのです。
こうして死に票を少しでも減らそうと言うこともできる訳です。
また、複数の候補者から複数の当選者を選ぶ市議選挙のような場合。
自分の持ち点を設定し、たとえばそれが5点であれば、その5点を自由に振り分けて投票することも考えられます。
A候補には3点、B候補とC候補に1点ずつなんてこともできるのです。
一番応援しているのはA候補だが、B候補もC候補も応援している、
ということはよくあることです。
当然、上に書いた死に票を避けるための自分の票のスライドとの組み合わせもできます。
また、持ち点を落選させたい側にマイナス投票することも可能です。
当選させたい候補者には上記のように投票し、
あわせて落選させたい候補者にマイナスの投票をする。
例えば、
X候補にはマイナス3点、Y候補にはマイナス2点と投票し、
それらのプラスとマイナスの合計が得票になるという訳です。
こうした投票方式の善し悪しについては、
しっかりと考えなければなりません。
しかし、一番大切なことは、
市民の意向がより正確に反映される投票方式にすることです。
また、こうした取り組みは投票率の向上にもつながるでしょう。
自由な発想で考えた様々な投票方式は、
技術的には既に可能なものばかりです。
選挙はこういうもの、
投票はこうするもの、
法律でこう決まっている、
という考えを一度捨ててみて、
どんな投票をしたいのか、
みんなで考えてみませんか?
さあ、議論しましょう。
考えるヒント >
あなたは、
電子投票でどんな投票をしてみたいですか?
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